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胃腸病
 

水分や栄養分のすべては、胃腸を通して体内に取り込むので、胃腸の働きの善し悪しが、その人の抵抗力・活力・体力などに大きく影響します。

また、「胃腸は心を写す鏡」と言うように胃腸は精神的影響を受けやすく、食欲不振、胃痛、吐き気、腹痛、便秘や下痢、なんとなく胃が悪いなどの症状として現れます。

胃腸を整えることは健康の基本といっても過言ではありません。

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胃腸の病気/症状・原因など

◇急性胃炎
一時的に起こる胃炎。食後の胃もたれ、吐き気などを訴える。これらの症状は2、3日で治まるが、食欲不振や疲労感が残る。アルコールの飲みすぎ、薬物の内服、ストレスなどが原因で胃粘膜に炎症が生じたもの。
【対策】
まずは絶食と安静。病状が軽くなれば流動食からはじめます。
◇慢性胃炎(慢性胃カタル)
症状が長く続いたり、頻繁に繰り返す胃炎。上腹部の不快感やもたれ、食後の吐き気のほか、食欲不振も見られることが多い。また、無症状のこともあるので注意が必要。日本人の多くは「萎縮性胃炎」と言われ、胃粘膜が長年炎症を繰り返すうちに、しだいに薄くなってしまうものです。
【対策】
過酸型:胃を空っぽにしないように。刺激物は控え、味付けも薄味に。
低酸型/萎縮性:蛋白質や脂肪の取りすぎに注意。スープ類(胃液分泌を高める)や少量の香辛料(食欲を促す)をうまく用いる。
◇ 胃・十二指腸潰瘍
症状は、胃の痛みやもたれ、胸焼け、げっぷ、食欲不振、嘔吐、吐血、下血など。「胃壁を保護する作用」と胃酸やストレス、ピロリ菌などの「胃壁に障害を与える要因」とのバランスが崩れたためと言われる。
【対策】
栄養価の高い消化のよいもので、胃粘膜を強める。牛乳は粘膜を保護するので空腹時の痛む時などに摂るとよい。酒・タバコは禁物、香辛料などの刺激物もほどほどに。手術した人は、小容量で高エネルギー、良質の蛋白質をとる。
◇ 胃酸過多症
胸焼け、すっぱい水が上がる。空腹時の痛み、げっぷなどを訴える。慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍と共に起こることが多いが、精神過労、睡眠不足などが原因となることもある。
◇ 無酸症
下痢やみぞおちの張り、不快感などを訴える。慢性胃炎などと共に起こることが多い。また、体力の消耗、その他種々の病気でも起こることがある。
◇ 胃アトニー症
胃部膨満感や圧迫感を訴える。痛み、げっぷ、胃がポチャポチャする(胃内停水)などの症状も見られる。胃の緊張(胃袋の弾力)が低下した状態で、胃の運動が弱いために起こる。
【対策】
低酸型の慢性胃炎と同様、自分の胃の働きに応じた食事量を考える。
◇ 急性腸炎
急性胃炎を伴うことが多い。胃の症状の後腹痛、下痢、しぶり腹などを訴える。3歳以上の幼児や学童に多い。食あたりや細菌の感染、風邪などが原因となる。
◇ 慢性腸炎
数週間から数ヶ月にわたって、下痢または便通以上の症状を訴える。急性腸炎を繰り返して慢性化したり、精神性のもの、アレルギー性のものなどがある。

漢方での胃腸病対策について

漢方には、病気の状態を陰病(機能の怠けている状態)と陽病(機能が働きすぎの状態)に、体質を体力の充分ある人(実証)と体力のない人(虚症)に分けて薬を正しく使う考え方があります。この考え方から胃腸の状態を分けてみます。

【陽病の胃腸】

臓器が働きすぎている熱の状態。

  • 胃酸過多で、出過ぎるたくさんの酸によって、胃に潰瘍や炎症を生じる。こんな病人は、からだが苦味を受け付けます。
  • 便秘から起こるのぼせが強い。下痢の後気持ちがよい。熱を冷ますために、冷やしてやる薬(寒薬)を用いればよい。
  • 実証体質:強い苦味の漢方生薬、黄連、大黄など
  • 虚証体質:ほろ苦味の漢方生薬、少量の黄連、陳皮など

【陰病の胃腸】

臓器が働きが怠けている寒の状態。

  • 胃酸が少ないので、消化力が弱っている。こんな病人は、辛いもの甘いもの好き。
  • 便秘が続いても、のぼせがあまりなく、兎便(コロコロ便)となる。下痢の後腹部に何か苦情を生じる。エネルギーとなる、温めてやる薬(熱薬)を用いればよい。
  • 実証体質:辛味の漢方生薬、生姜など
  • 虚証体質:甘味の漢方生薬、甘草、人参など

このように漢方の胃腸病対策には、病状、体質に応じて各々の生薬をうまく組み合わせて処方内容を考えます。

さらに現代人の胃腸病に有効な成分に牛胆があります。
動物胆:牛胆の有効なはたらき

  • 牛の胆汁は、人間の胆汁組成に最も近いです。
  • 牛胆には消化をよくする働きがあります。
  • 牛胆の量を、病状体質によって調節して使うことで胃腸病に幅広く使えます。
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