健康と免疫/漢方の和久堂
     

 
健康と免疫

  すべての人には本来、日常的に病気から守ってくれている「免疫」が備わっています。
風邪などの様々な感染症も、アレルギーの花粉症や膠原病も異常細胞の増殖であるがんも、みんな免疫と関わっています。
免疫のバランスを崩したり、免疫を低下させないために、免疫の話をまとめてみました。
 
  健康を保とうとする力
  私たちの身体は、免疫という自然治癒力のおかげで、様々な病気から守られています。
人間の身体は約60兆個の細胞からできており、日々壊されたり、作りかえられています。
呼吸や食事などを通して多くの異物が体内に入ります。また、老廃物が体内に蓄積し、色んな病気の原因になります。
これらの体内の異物を認識して、異物を掃除してくれる仕組みが「免疫」です。
要約すると「免疫力」とは、体内に入った細菌やウイルス、また体内で発生したがん細胞などの異物から体を守る仕組みです。
本来生まれながらにして人間が持っている自分で自分を守る力のことを言います。
つまり、免疫は文字通り「疫病」から「免れる」ための生体防御システムなのです。
「免疫力」の強弱には、免疫細胞の数だけではなく、そのバランスや、一つひとつの細胞の機能の良し悪しも深く関わっています。
免疫力のバランスが崩れると、ガン、糖尿病などの生活習慣病、アレルギーなど、様々な病気を引き起こします。
 
  2つの免疫系
  広義の免疫には、「自然免疫」と「獲得免疫」があります。
「自然免疫」は、免疫されなくてもあらかじめ持っている異物に対する抵抗性のことです。
「獲得免疫」は、生後外界の異物ににさらされることによって獲得した免疫のことです。
すべての異物を認識する「免疫力」とは、リンパ球による異物認識システム「獲得免疫」のことです。
病後免疫は、感染症にかかった後獲得する免疫で、ワクチンや抗血清を打つことが人口免疫です。
異物認識システムには、抗体を産生する「体液性免疫」とキラーT細胞を産生する「細胞性免疫」の2つのシステムが知られています。
 
  免疫システムを支える白血球
  免疫システムの中でもその中心として働いているのは「白血球」です。
白血球にはいくつかの種類があり、役割を分担して協力しながら機能しています。
大きく分けると、「顆粒球」と「リンパ球」に分けられます。
体内に入ってきた細菌などの異物を処理して体を守るシステムは、「顆粒球」と「マクロファージ」が担ってます。
リンパ球は免疫の重要な部分を担っていて、各免疫細胞に指示を出したり、異物を識別し異物にあった抗体を作ります。
また、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)やマクロファージなどは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物を直接攻撃し、病原体の排除にとって重要な役割を果たしています。
 
  白血球のバランスが大切です。
  顆粒球は細菌を処理し、リンパ球は免疫を司るという形になりますが、
白血球の中の(マクロファージ)(顆粒球)(リンパ球)の割合は、健康な人で、(リンパ球)が35~41%、(顆粒球)が65~54%、(マクロファージ)が5%程度です。
この白血球とリンパ球の割合は、自律神経がコントロールしています。
程よく頑張っている人は顆粒球の割合が多く、リラックスして生きている人はリンパ球の割合が高くなっています。
生活の仕方によっては、この割合が崩れてしまいます。
生活習慣や考え方を少し修正するだけで、免疫のバランスが整い、病気になりにくい体になり、病気を治す力も働きます。
 
  頑張り過ぎない、のんびりし過ぎない
  人間の体の機能は、それぞれが独立して働いているわけではなく、互いが影響し合いながら生命の維持活動をしています。
(自律神経系)と(免疫系)と(内分泌系)それぞれが、相互に絡み合いながら、抑制したり、高めあったりしています。
当然どこかが乱れれば、それに呼応するように他の機能も乱れます。
強いストレスを受けると、免疫力が低下します。
一般にストレスが多い人は、がんに対する免疫力が落ちる傾向にあると言われています。
頑張ることが悪いことではありませんが、それが過ぎると免疫力が下がります。
逆に、のんびりし過ぎていると、アレルギーにかかりやすくなります。
また、のんびり生きている人が、急に大きなストレスを受けると、リウマチや膠原病などの免疫病になってしまうことがあります。
「行き過ぎ」は免疫力低下のもとと考えましょう。
 
  生活習慣の乱れが免疫力を低下させます。
   食事、運動、ストレスといった生活習慣によって、免疫細胞の量と質は変化します。
生活習慣が乱れて免疫力が低下すると、風邪をひきやすくなりますが、1回風邪をひくたびに動脈硬化が進むといわれます。
 
  ◎ 食事: 免疫力を大きく左右するのが食事です。抗酸化作用の強い食品や腸内環境を改善する食品を積極的にとることが、免疫力を高める秘訣です。免疫力を上げる食品をバランスよく食べましょう。
 
  運動: 運動は血流をよくし、体温を上げます。血流にのって全身を巡る免疫細胞は血流が良ければ活発に動けます。リンパ球は体温が1度上がると働きが6倍になります。
軽めの運動を定期的に行うと、NK細胞の活性が高まり、免疫力が上がります。ウォーキングのような軽めの有酸素運動が効果的です。
 
 ◎ ストレス: 免疫低下の大きな原因のひとつがストレスです。ストレスは、NK細胞の活性を低下させ、免疫力を低下させます。現代社会では、ストレスを全く感じさせない生活はありえませんが、ストレスをうまくやり過ごし工夫が大切です。
 
  笑いの効用
   笑いが様々な病気に治療効果があることは、科学的にも証明されています。
笑って身体がリラックスすると、自律神経の働きが安定することや、強い鎮痛作用をもつエンドルフィンという神経伝達物質が増加し、痛みを忘れてしまうことなどが報告されています。
例えば、漫才を聞いた後の糖尿病患者の血糖値が低下したり、ストレスホルモンとも呼ばれるコルチゾール値が下がったり、といった報告が寄せられています。
さらに、がん細胞を殺すNK細胞の活性化が図られ、自然治癒力が高まるなど、医学的にもかなりの効用が認められています。
もちろん、健康な人でも笑うことで血流を増加し、ストレスを軽減し、脳の血流量は6~7割も上昇するそうです。
心からの笑いでなくても笑うという行為自体がプラスの効果をもたらします。
まずは、笑顔を作ることから始めてみるのもいいでしょう。意図的に笑うことで、免疫力が上がるというデータもあります。
大いに笑って身体の自然治癒力を高めましょう。
 
  免疫力を高める食品
 食生活の偏りなどにより、栄養バランスが乱れ、そのため免疫に大切な栄養が不足し、免疫力低下を招いている事が多くみられます。
 
 自律神経系を整え、免疫力を高める食事の基本は、玄米と発酵食品、野菜や豆類、海藻やキノコなど、食物繊維をたっぷり摂ることです。栄養代謝に必要なビタミン・ミネラルも十分に摂りましょう。
 
 ●きのこ
(しいたけ、えのき、しめじ、まいたけ・・・・・・)
●海藻 ●りんご ●緑黄色野菜 ●赤ワイン ●ゴーヤ
●ヨーグルト、乳製品(乳酸菌を含む食物)
●ごぼう、いも類(特にさつま芋、食物繊維を含む食物)

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